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概要

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2015. Autumn 23食中毒に注意!環境科学科 卒業生 父 食中毒は、その原因となる細菌やウィルスが食べ物に付着し、体内は進入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、細菌などを食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、「やっつける《殺菌する》」という3つことが原則となります。1:つけない手にはさまざまな細菌が付着しています。食中毒の原因が食べ物につかないように、次のようなときは必ず手を洗いましょう。 ・調理を始める前 ・生の肉や魚、卵などを取り扱う前後 ・ 調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後 ・動物に触れたりした後 ・食卓につく前 ・残った食品を扱う前 また、生の肉や魚などを調理したまな板などの器具から、野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗いましょう。例えば、焼肉などの場合生の肉と焼けた肉をつかむのは箸は別のものにしましょう。食品の保管の際は、他の食品に付いた細菌が食べ物に付着しないよう、密封容器に入れるか、ラップをすることが大事です。 手洗いは、流水で時計・指輪などははずしましょう。2:増やさない 細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下だ停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食料品やお惣菜などは、購入後できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。  冷蔵庫利用のポイント  ・食品を詰め過ぎず、冷気の流通をよくするよう配慮  ・扉に開閉はできるだけ少なくし、庫内温度の上昇防止  ・食品相互の微生物汚染が無いよう、容器包装で保存  ・清掃を十分に行い、庫内清潔に保つ 冷蔵庫保存でも、細菌はゆっくりと増殖するので冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。3:やっつける ほとんどの細菌やウィルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することです。目安は中心部の温度が75℃で1分以上加熱することです。 ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも細菌やウィルスが付着します。特に肉や魚、卵などを調理後は、洗浄して熱湯で手入れしましょう。  例)低温加熱殺菌 温水浸漬(ボイル)方式            湯等(シャワー)方式            蒸気(スチーム)方式            乾熱(電気・ガス)方式    超高温(UHT) 短時間殺菌主な食中毒菌等《特徴と予防対策》 感染型  サルモネラ属菌    人や動物の腸管内に広く分布している細菌で、近年本菌による食中毒多発  卵および加工品、食肉  熱に弱いので70℃1分以上の加熱  腹痛、下痢、発熱、吐き気、嘔吐  腸炎ビブリオ  好塩性(3~4%)の塩水で発育、真水には弱い  生鮮魚介類及び加工品  熱に弱く加熱処理や真水で良く洗う  激しい腹痛、下痢、吐き気、嘔吐  カンピロバクター  動物の腸管内(特に鶏)乾燥・加熱に弱い  鶏肉及び2次汚染された食品  熱に弱いので十分加熱、生肉と他食品別々に保管  腹痛、下痢、発熱、嘔気 ウィルス   ノロウィルス  人のみが感染  ナマ牡蠣や貝類、加熱していない食品  腹痛、下痢、発熱、嘔吐毒素型 黄色ブドウ球菌   化膿菌で人の化膿巣や鼻、のどの粘膜等に分布、食品中増殖時毒素(エンテロトキシン)産生、毒素は耐熱性  弁当、おにぎり、生菓子類  手指に化膿巣やキズのあるものは調理させない  腹痛、激しい嘔吐。 セレウス菌   土壌中や水中など自然界に広く分布、芽胞形成し毒素産生。耐熱性  チャーハン、ピラフ   一度に大量調理しない。常温で放置しない。食べる前に再加熱  嘔吐型 嘔気・嘔吐  下痢型 腹痛、下痢 腸管出血性大腸菌   牛など腸管内に存在し、ベロ毒素産生、少量で発症し、人から人感染  生レバー、加熱不十分な食肉  腎臓障害、腹痛、下痢