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2016年度 新任先生ごあいさつ28 後援会たより No.37新任先生からごあいさつプロフィール大阪電気通信大学工学部精密工学科 卒業大阪電気通信大学大学院工学研究科 博士前期課程 制御機械工学専攻 修了大阪電気通信大学大学院工学研究科 博士後期課程 制御機械工学専攻 修了京都大学大学院工学研究科助手、足利工業大学工学部講師、同 准教授を経て、現職平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞 受賞工学部機械工学科准教授阿あ南なみ景けい子こ先生「ただいまの挨拶に代えて」 私は、本学工学部精密工学科を卒業後、平成14年に本学大学院工学研究科博士後期課程制御機械工学専攻を修了し、博士(工学)の学位を取得しました。当時、本学大学院工学研究科で女性として初めての博士学位取得者ということで、後援会や学報で取り上げていただいたことを懐かしく思い出します。この度、ご縁に恵まれ、本年4月に工学部機械工学科に着任しました。12年ぶりの関西、14年ぶりの大阪電気通信大学です。学生として在籍していた頃より学部・学科も大幅に増え、キャンパスも整備されており、母校の発展を大変喜んでおります。また、教職員の方に「よく覚えているよ」と声をかけていただくこともあり、とても嬉しく懐かしく感じる一方で、教員としては前任校との違いに戸惑うこともあり、よく知った母校でありながら初めて来た大学のような、不思議な感じがしています。 関西を離れていた12年間は、栃木県にある足利工業大学にて教育・研究に携わっていました。大学のある足利市は、栃木県の南西端、関東平野の北端に位置しています。市の中央を渡良瀬川が流れ、日本最古の学校として知られる史跡足利学校や、足利氏ゆかりの鑁阿寺をはじめとする寺社が点在する、自然豊かな静かな町です。 足利での比較的のんびりとした時間の流れにすっかり馴染んでいた私にとって、本学に着任してからの日々は、生まれ育った関西圏に戻ってきたとは言うものの、なんだか気ぜわしく、気持ちに余裕のない時間だったように思います。このあたりでしっかりと自分のペースをつかみ、後期からは余裕をもって過ごせるようにしたいと思っています。 研究では、「振動」という現象を扱っています。私たちの身の回りには「振動」がたくさんあります。快適に過ごそう、もっと便利に過ごそうと考えて使用するたくさんの機械や装置で、さまざまな振動や騒音が発生します。その振動や騒音が、私たちを不快に感じさせる原因や重大な機械トラブルのもとになることがあります。また、振動が発生することで、機械や装置が十分な性能を発揮できないこともあります。そのような振動の発生メカニズムや、振動が機械や装置におよぼす影響について研究しています。 その中でも、「流れと関連してひとりでに起こる振動」というものに大変興味があり、学生時代から継続して取り組んでいます。一言でいうと、ちょっとした風で、窓におろしたブラインドの1枚だけがパタパタパタとなるような現象です。卒業研究で取り組み始めたのですが、やればやるほど面白くて、卒業研究だけでは物足りなくて大学院に進学し、夢中で取り組んで、気づいたら研究者になっていました。もちろん、実験や理論解析は難しく、思い通りに進まないこともたくさんありますが、一生懸命取り組んでいれば、ふとした瞬間に手がかりや違うアプローチの仕方が見えてくることも多いですし、失敗しても楽しいのです。 研究室でも授業でも、学生たちはすぐ正解を聞きたがります。でも(試験以外の場面では)正解は重要ではないのです。答えにたどり着く過程で間違えたり、工夫したり、一生懸命考えていろいろ挑戦することこそ大切だといつも思っています。そういう形で真剣に取り組んだとき、本当の楽しさを味わうことができるのだと思っています。 私の後輩でもある学生たちには、是非、いろいろなことに興味を持ち、一生懸命取り組み、本当の楽しさを知ったうえで社会に出てほしいなと思っています。