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2021年度 新任先生のご紹介・ごあいさつ新任先生インタビュー工学部電気電子工学科教授民たみ田だ太た一いち郎ろう先生大学生活で自分に自信を― 先生はこの春、本学の教授に就任されました。それまでは企業のエンジニアとして研究開発に取り組んでおられたとお聞きしています。どのようなお仕事をされていたのか教えていただけますか?民田 大学時代は物理工学を専攻していまして、大学院修了後は電機メーカー(三菱電機株式会社)の研究所に就職しました。会社員時代は加工用レーザーやプラズマディスプレイの研究に長い間携わっていました。プラズマディスプレイが液晶に入れ替わってからは、放電加工機や浄水場で使われるオゾンを作る装置などを研究開発していました。― 28年間、技術一筋に歩んでこられたんですね。時代とともに私たちの生活を取り巻く電気機器はどんどん進化して便利になっていきます。こうした快適な生活を享受できているのも、先生のようなエンジニアの方々が日夜研究に取り組まれているおかげですね。ところで先生のこれまでのエンジニア人生において、どのようなことが最も印象に残っていますか?民田 とてもやりがいのある仕事で、大変充実した28年間でした。私は研究所のエンジニアとして製品開発を行いますが、それを消費者が使う実際の製品にするためには製品設計や製造技術、信頼性評価などが必要です。製品化するために工場で働いている人たちとともに、力を合わせてゴールに向かっていく。様々な検査を行ったり、トラブルが起こった時は原因を一緒に考えたり。そんな過程がとても面白く、自分自身の大きな糧となりました。 ―今年4月から本学で教べんをとられていますが、先生のご専門である「パワーエレクトロニクス」と「パルスパワー応用技術」について解説してください。民田 一言でいうと、電気をエネルギーとして使って何か新しいことができないか、を研究しています。まず、「パワーエレクトロニクス」から説明をします。電車や自動車、エアコンなどの家電は電気をエネルギーとして動いています。パワーエレクトロニクスは半導体を使って電気のやりとりを行う技術で、①省エネ②小型化③効率化を可能とすることから、近年産業界などで大変注目され、ますます研究が進められている分野です。一方、パルスパワーとは、電気エネルギーを短時間に集中的に発生させる技術です。かつては核融合などの巨大な設備で研究されていましたが、パワーエレクトロニクスの発展で装置が小型になり、近い将来、産業界や私たちの日常生活でも使われるようになるのではないかと考えています。例えば硬い材料を加工する際、瞬間的に大きなパルス電流を流して放電し、その時に発生する熱で加工します。あるいは特殊なレーザーを動かすのにも使われています。このような電気エネルギーの形をいろいろ変える技術を使って、なにか新しい応用ができないかと考えています。― 企業のエンジニアから大学の教授になられて生活が大きく変わられたと思いますが、部下を指導するのと学生に教えるのとではどのような違いがありますか?民田 会社員時代が長かったので、教員になることに最初は戸惑いがありました。ところが、実際に若い学生たちと触れ合って教えることは想像以上に楽しく、新しい発見があります。こちらは「当たり前」と思っていたことを、彼らがわかっていないことは多々ありますが、それは不思議なことではありません。「どのように説明したらうまく伝わるか?より理解を深めてもらえるか?」を常に考えながらの教員生活を楽しんでいる毎日です。― 本学に来られる以前の大学のイメージと教授になられてからでは印象が変わりましたか?民田 大学名に「電気」を冠していますから、電気機器のエンジニアだった私としては「自分の専門性を生かせる大学なんだろうな。教員になれるといいなあ」と思っていました。そんな思いが叶ってこの春から教壇に立つことになりました。ただ、コロナ禍で学生との対面授業は4月の数回だけで、それ以降は実験を除いてリモート授業が続いています。リモート授業に不都合はあまり感じませんし、便利な点も多々ありますが、やはり学生と実際にコミュニケーションを取りながら授業できる日が早く来てほしいですね。いい意味で驚きだったのは、教員と学生たちとの距離の近さ、そして教職員の面倒見の良さです。特に学生の大学生活や就職へのサポートがとても手厚いと感じました。国公立など大規模な大学ですと学生一人ひとりにまで目が行き渡りにくいですが、比較的少人数教育の体制を取っている本学は教員や職員の方々が学生のことをよく把握しているように思います。14 後援会たより No.47