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28 後援会たより No.47絵本から学ぶプログラミング情報工学科4年 母私は図書ボランティアの団体に所属している。息子が小4の頃、学校から一枚のプリントを持ち帰って来たことがきっかけであった。『図書ボランティア募集!』その数週間後、希望者が図書室に集められた。私の他に5年生保護者1名と1年生保護者2名。たった4人で何から始めれば良いのか皆目見当が付かなかったが、リーダーとサブリーダーに手を挙げてくださった方が行動派だったお陰で、蔵書の補修と図書室のディスプレイから始め、次に昼休みと放課後の図書室解放を実現することが出来た。翌年度に入ると、保護者のみならず元教員や元司書等地域の希望者が加わってくださり、職員朝礼の時間を利用して各学年に読み聞かせを始められるまでになった。最初は低学年だけであったが、徐々に高学年にも拡げて行き、夏休みの図書室解放も行うことに。秋の読書週間には会員と図書委員児童との合同読み聞かせや栞作り等の工作体験、冬にはお話会、会報の発行と活動を増やすことが出来た。会員も約30 名となり、軌道に乗っていた。だが、2020年、事態は一変する。コロナ禍で外部の人間が学校に立ち入ることが難しくなり、開店休業状態。そこで現役保護者さんが中心となって考えて下さった活動が、会報に会員の自己紹介と推薦書籍を掲載するということ。ここで困ったのは私。まさにその頃はヘルニアで動けず、書店にも図書館にも行けない。子供時代に親から本を嫌になる程与えられ、とうとう本嫌いになってしまった私の脳の引き出しには親に隠れて読みまくったマンガしかない。しかし、便利な時代になったものだ。横になっていてもスマホは操作できる。最初は自分が趣味として続けて来た音楽に関する本を探していた。だが、会報の紙面を使って「音を出さずに音の魅力を伝える」のは至難の技だと直ぐに悟った。寝たきり生活の中、息子のオンライン授業の様子を何となくではあるが観察していた。でも、彼の学習内容は文系の私には全く理解出来ない。40年程も前、まだ情報系の学科など設置されていなかった私の学生時代だと、システム工学科辺りの在籍者が学習していた内容に近いのだろうか。その学科に居た先輩に「デジタルって何ですか?」とおそらくアホ丸出しな質問をしたことがあったが「0か1かってこと」と返され、やっぱりよく分からなかった。そんな大昔のことを急に思い出し「だったら子供向けの本を探して、息子のやってることを少しでも知ろうとしたらどうだろう。小学校の児童さんにも紹介出来て、一石二鳥やん!」あれこれググって一冊の本に辿り着いた。それが『ルビィのぼうけん』である。見てピンと来た方も多いかと思うが、息子もそうだった。「良い本があったんやけど…」とタイトルを伝えただけで「まつもとさんと関係あるの?」そしてルビィのお友達がペンギンに雪豹に狐にロボット。ペットの蛇の名前はパイソン。普通の絵本なら犬猫兎といったキャラクター設定が多いのに「何故に雪豹?」「生き物ではないロボットが登場?これって『動物の謝肉祭』に『ピアニスト』や『化石』が混じってるようなモンなんやろか…」と疑問に感じて息子に質問。理由を全て教えて貰えた。息子よ、ありがとう!ネットで探った時に、この絵本は多くの小学校で教材として使用されていることも知った。もしここの小学校で既に教材化されているならば紹介したところで今更感しか生まれないだろうとの心配から、学校サイドに蔵書としての有無を問い合わせたが、絵本も置いておらず全く取り上げていないとの回答であった。管理職の先生からは、こういうジャンルの絵本があることを児童に知らせて貰えるのは嬉しいことだとの有難いお言葉まで頂戴した。しかもこの絵本、実践形式という珍しいタイプ。通常であれば、絵本を読んでもそのメッセージは一方通行に近いものでしかない。だがこの作品は違う。読者が自ら考えるところから始まる。逆を言えば、考えることを始めない限り、得ることは何も無い。だが、それを乗り越えた達成感は、他の一般的な作品から得られるものとは全く違ったものだと言えよう。斯くして原稿も無事に上がり、他の会員とは全く違った切り口での書籍紹介が出来たうえ、息子との会話も増えて、目論見通りの一石二鳥。それにしても、小学生対象の絵本とは思えぬ難解さに、正直驚かされた。レビューの星が極端にバラけていた理由も、実際に本を手にしてみて解ったような気がする。私には一生掛かっても息子が取り組んでいる学問を理解することは出来そうにないが、その入口だけでも楽しみつつ見せて貰えたことが何よりも嬉しかった。次は…園児でも解るプログラミングの本を探そう~っと。父母母のの声